2020年4月からグラン・パレで開催予定だった「Noir et blanc 白と黒で」展は、フランス国立図書館所蔵の、写真最初期から現代の作品までのモノクロ写真を集めた大規模な展覧会となるはずだった。しかし新コロナウィルスのとばっちりをうけ、3度にわたって開催が延期。当初の4月8日から7月6日までの会期がまず最初の都市封鎖(3月中旬〜5月中旬)によって延期され、次に11月12日から1月4日が第2回目の文化施設閉鎖(10月下旬以降)で扉がしまったままとなった。さらに、政府が発表していた12月15日からの文化施設開館予定が、結局閉鎖延長となり(その後示唆されていた1月7日からの再オープンも1月末まで延期になった)、3度目の新会期12月6日から2月1日の間も会場は閉まっており、作品は訪れる人のない展示室で眠ったままだ。しかし、パリ市内のフランス国立図書館からの借入ということもあり、今のところ展覧会が中止になるという知らせはない。 グラン・パレでは、展覧会の一部を多くの人に見てもらおうと、作品をパネル化して、2月28日まで13のメトロの駅構内に展示している。 Voir cette publication sur Instagram Une publication partagée par Le Grand Palais (@le_grand_palais) この展覧会は、フランス国立図書館の膨大な写真コレクションの中から、モノクロに絞って約300点の傑作を選りすぐって紹介。発明から150年余りの写真の歴史を網羅するものともなっている。写真家の数は30カ国200人と多彩にわたる。その中には、ナダール、マン・レイ、アンセル・アダムス、ウィリー・ロニ、ヘルムート・ニュートン、ダイアン・アーバス、マリオ・ジャコメリ、ロバート・フランク、ウィリアム・クライン、森山大道、ヴァレリー・ブランなどの名もある。 フランス国立図書館の版画・写真部門には、数十万点の写真が保存されている。うち19世紀の作品は約2000点、20・21世紀の写真は5700点に及び、世界でもっとも重要なコレクションの一つとなっている。その中でもモノクロ写真はとくに充実している。 外出規制が緩和されて美術館が再開するまで、「白と黒で」展は、グラン・パレの公式サイト、 YouTube、インスタグラムなど、ウェブでもさまざまに展開している。 子供用のコンテンツとして初期の写真に焦点を当てたインタラクティブページ、塗り絵、パズル、も面白い。
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グラン・パレ
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当初3月25日から6月8日迄の開催が予定されていたグラン・パレのポンペイ展。外出制限令で閉館となり、期間中はビデオ、カタログ抜粋、ゲームなど、ウェブ配信(左のリストでコンテンツを選べる)で内容を紹介し、これまでにのべ100万件の閲覧があった。7月1日に再オープンとなるグラン・パレは、同日から9月27日までポンペイ展を開催する。 テレビのFrance5は、外出制限発令後の3月下旬に展覧会に合わせて撮影されたドキュメンタリーを放映したが、2018年に発見された「ジュピターの家」の解説も多く加えた内容の濃いものだった(現在視聴は不可能。展覧会オープンに合わせて再び見れるようになるのを望みます)。写真のカタログは、ウェブ版でインタラクティブ。高画質のモザイクやフレスコ画を堪能し、ポンペイの家屋を臨場感あふれる3Dで「訪問」できるなど、ウェブの長所をふんだんに生かした内容。購入はこちら(仏語。右上のメニューで英語に切り替わります)。 子供用パズル モザイク柄。 子供用パズル 噴火の絵。 (どちらも下にあるボタン – 左から初級、中級、上級 – をクリックすると遊べます。) アナウンス動画 バーチャルリアリティによる、ヴェズヴィオ火山噴火前と噴火後の家屋の様子 2017年に発見されたポンペイの新地区 タイトル写真はポンペイ展ポスター