Accueil CD&DVD カザルス・カルテットのベートーヴェン弦楽四重奏全曲CDが完結

カザルス・カルテットのベートーヴェン弦楽四重奏全曲CDが完結

par Victoria Okada

2018年から1年に1回のペースでベートーヴェン四重奏曲全集をリリースしてきたスペインの俊英カザルス・カルテット。5月15日にヨーロッパでデジタルリリースされた「アポテオーシス」で全曲が完結した。このシリーズでは、第1巻を「Invention」、第2巻を「Revelation」、今回の第3巻を「Apotheosis」と題し、作品をテーマごとにグループ分けしている。各巻は3枚のCDで構成され、ベートーヴェンの創作活動の3つの時期に書かれた作品をテーマごとに分けて収録。「Invention」では、それぞれの時期において「内省を求めるエクリチュールから際立った要素をよりよく引き出す」べく「新しい様式的方向性を打ち出した」四重奏曲を集め、第2巻では「それぞれの時代の初期に描かれ始めた様式的な革新をさらに深めつつ対峙させ」た四重奏曲が収録されているが、その対峙は、第1巻でも見たように「内省を求めるエクリチュールから際立った要素をよりよく引き出す」のだ、とジャン=ポール・モンタニエがライナーノートに記している。カザルス四重奏団の特徴は、新鮮な活力だろう。きわめて温かく、時に肉感のある音と、4人の一体感が生み出す万華鏡のような表現力は見事であり、新コロナウィルスによって将来がいまだ不確実なこの時期に、士気を高めてくれる快心の一枚となっている。

 

Harmonia Mundi,
1er volume “Inventions”  2018年, 3h01’22
2e volume “Revelations” 2019年, 2h41’25
3e volume “Apotheosis” 2020年, 2h44’47

photo © Cuarteto Casals

Print Friendly, PDF & Email

Articles liés

Laisser un commentaire

CAPTCHA


Ce site web utilise des cookies pour améliorer votre expérience. En poursuivant votre navigation sur le site, vous acceptez les cookies. Accepter