徐々に外出制限が緩和されつつあるフランス。先週以降、再オープンする文化施設が相次いでいるが、オルセー美術館は2週間後の6月23日に再オープンとなることが発表された。
3月24日に始まる予定だったジェームス・ティソ展も同月17日のロックダウンを受けて美術館が閉鎖し、展覧会の開催も一時的に中断された。
同展は23日の美術館のオープンとともに公開となり、新会期として9月13日まで延長される。
ドキュメンタリー番組「James Tissot, l’étoffe d’un peintre」の抜粋動画。番組はarte.tvで7月15日まで視聴可能。VODまたはDVDでも見ることができる。
![Young_Ladies_Admiring_Japanese_Objects’_by_James_Tissot](https://vivace-cantabile.com/wp-content/uploads/2020/06/733px-Young_Ladies_Admiring_Japanese_Objects_by_James_Tissot.jpg)
![La Japonaise au bain](https://vivace-cantabile.com/wp-content/uploads/2020/06/La_Japonaise_au_bain_by_James_Tissot-Musee-des-beaux-arts-de-Dijon.jpg)
![James_Tissot_-_Young_Women_Looking_at_Japanese_Objects](https://vivace-cantabile.com/wp-content/uploads/2020/06/James_Tissot_-_Young_Women_Looking_at_Japanese_Objects.jpg)
![James_Tissot_Young_Ladies_Looking_at_Japanese_Objects, collection particuliere](https://vivace-cantabile.com/wp-content/uploads/2020/06/James_Tissot_Young_Ladies_Looking_at_Japanese_Objects-collection-particuliere-.jpg)
(写真をクリックすると拡大します。sources : commons.wikimedia.org)
ジェームス・ティソ(1836〜1902)は、その名前(本名はジャック=ジョゼフ・ティソ。フランス名ジャックに相当するイギリス名がジェームス)とロンドンに定住していたことから英国の画家だと思われがちだが、実はフランス人。1870年代ヴィクトリア朝ロンドンの上流社会やパリのブルジョワ社会を描いて当時の生活を今に伝えている。それ以前の1860年代にはすでにジャポニズムを取り入れた絵画を制作し、1868年には水彩で徳川昭武の肖像を描いている。ティソは徳川昭武がパリ滞在中に絵画教師を勤めていた。
とくに流行の服飾を描いた画家として、モードの歴史と切っても切り離せない人物となっている。4月23日に開催予定だった国際シンポジウムはティソが描いた服飾に焦点を当てており、その概要がオルセー美術館のサイトに掲載されている。
サイトではまた、展覧会に合わせた8回シリーズのポッドキャスト(フランス語)「ジェームス・ティソを探して」が聞ける。
インフォメーション
オルセー美術館 午前9時30分〜午後6時、木曜日午後9時45分まで(入館は閉館の1時間半前までが望ましい) 14€
衛生対策に対応するため、入館時間帯を指定してオンラインでチケットを購入する。11歳以上はマスク着用のこと。
Photo : ドキュメンタリー「James Tissot, l’étoffe d’un peintre」のキャプチャ画面 ; commons.wikimedia.org