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ベルリオーズ没後150年祭 公式に始動

par Victoria Okada

(2018年8月にMixiに投稿した記事に加筆・訂正したものです)

フランス文化大臣フランソワーズ・ニッセン Françoise Nyssen 氏は2018821日、イゼール県コート・サンタンドレで開催中のベルリオーズ音楽祭 Festival Berlioz の一環としてルイ11世城で開かれたベルリオーズの《レクイエム》の演奏会に出席し、「ベルリオーズ没後150周年記念祭」を公式に開会した。

音楽祭の芸術監督ブリュノ・メシナ氏 Bruno Messina は昨7月、同記念祭の綜合芸術監督に任命されたばかり。

《レクイエム》はエクトル・ベルリオーズ・ヨーロピアン・ユースオーケストラ Jeune Orchestre Européen Hector Berlioz (JOEHB)スピリト合唱団 Spirito、ユース・シンフォニー合唱団、オーベルニュ地方合唱団、リヨン・オラトリオ合唱団の、総勢300人が演奏。13世紀から建築されたルイ11世城の中庭に特設された会場では、管楽器が高低4地点に陣取り、ステレオ効果を最大限に生かした大コンサートとなった。指揮は、曲が作曲された時代の楽器を使用して演奏するユニークなオーケストラ、「レ・シエクル Les Siècles」の芸術監督フランソワ=グザヴィエ・ロト François-Xavier Roth氏。ソリストはトビー・スペンス Tobie Spence(テノール)氏、ヴァイオリンソロはフランソワ=マリー・ドリユー François-Marie Drieux 氏。

JOEHBは、メシナ氏がベルリオーズ音楽祭の音楽監督に就任した当時、フランソワ=グザヴィエ・ロト氏とともに、ヨーロッパ中からハイレベルの若い音楽家を集めて、レ・シエクルの「コーチ」のもと、アカデミー形式でペリオド演奏ができるオケ団員を養成しようと企画し発足したオーケストラ。主要となるレパートリーは、ベルリオーズの大規模な作品で、全て当時の楽器(またはそのコピー)での演奏だ。ロト氏がJOEHBについて語っている映像はこちら

 

JOEHB © FestivalBerlioz

19世紀の楽器の奏法は現代楽器とは大きく異なり、独特の演奏アプローチが要求される。1950年代から始まったバロック音楽の興隆がペリオド楽器奏法の研究を活発化させ、1990年代以降はロマン派、近代の音楽にもこれが波及した。ロト氏率いるレ・シエクルはこれを本格的に演奏の現場で応用した最初のオーケストラの一つで、今では世界的な成功を収めており、2018年度のグラモフォン・ミュージック・アワードの「オーケストラ・オブ・ザ・イヤー」部門にノミネートされている。

21日に演奏されたベルリオーズの《死者のための大ミサ曲 Grande messe des morts(通称レクイエム)》op. 5 は青年時代の作品。1830年の7月革命の記念祭のための委嘱作品で、1837年にアンヴァリッドでフランソワ=アントワーヌ・アブネック François-Antoine Habeneck17811849)の指揮で初演された。ベルリオーズは回想録 Mémoiresで、初演が大成功だったことを伝えている。

21日のコンサートの本番は聞くことはできなかったが、リハーサルを2日間にわたって部分的に聞いた。管楽器は、《レクイエム》を構成する曲によって、スポーツスタジアムのように階段状となっている客席の下(会場入り口付近)と、城の最上階の窓際、そして舞台の両手下に移動して演奏する。(リハーサルの様子はこちら その音響効果は圧巻。コンサートの様子はこちら

下は、ベルリオーズ記念祭公式開幕を告げるフランス文化省のプレスリリース。

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