Accueil 仏・欧州音楽事情 ジョゼフィン・ベーカー パンテオン偉人廟入り

ジョゼフィン・ベーカー パンテオン偉人廟入り

par Victoria Okada

二つの大戦間のパリで、歌手・ダンサーとして一斉を風靡したアメリカ出身のジョゼフィン・ベーカーがパンテオン(偉人廟)入りし、11月30日午後5時半からその式典が行われました。

 

ジョゼフィン・ベーカー Joséphine Baker は、スペクタクル(ショー)関連の人物として初めてパンテオンに入りました。

彼女は1925年10月にパリ・シャンゼリゼ劇場の「Revue Nègre ルヴュ・ネーグル」で初めてフランスの舞台に登場。これが大ヒットし、一躍パリのミュージックホールの寵児に躍り出ました。

彼女がどういう人だったかはこちらからどうぞ。フランス語が読める人は、フランス政府のサイトの特設ページに彼女の生涯が簡潔にまとめられています。

さて、11月30日の式典では、6人の空軍の軍人に担がれた慰霊棺がパンテオン前のスフロ通りをゆっくりと登る間(彼女は戦時中、空軍の中尉だったことから)、彼女ゆかりのさまざまな音楽が演奏されました(録音を含む)。その中で、オペラ・コミック劇場が主催するMaîtrise Populaire de l’Opéra Comique (オペラ・コミック少年少女合唱団)による合唱と、慰霊棺がパンテオンの中に入る時に流れたパスカル・デュサパン Pascal Dusapin の「In nomine lucis(ラテン語で「光の名の下に)」が、音楽愛好家には気になったことと思います。

まずオペラ・コミック少年少女合唱団。


専任指揮者のサラ・コネ Sarah Koné さんの指揮で、ジョゼフィン・ベーカーが歌っていた 「Dans mon Village (私の町で)」を、手話を交えて熱唱。音楽のアレンジはピアニストでもあるブリュノ・フォンテーヌ Bruno Fontaine 氏。(下のビデオでは17分55秒あたりから)

デュサパン氏の「In nomine lucis」は、もともと昨年11月にフランス学士院会員だった作家で詩人のモーリス・ジュヌヴォア Maurice Genevois がパンテオン入りした時に作曲された作品で、パンテオン内のインスタレーションとセットでした。今回は音楽だけで(39分08秒から、その後1時間07分20秒から)、倍音が鳴っているかのような微妙な不協和音が美しい、幻想的な雰囲気の漂う音楽です。

 

フランスで最高の功績を残した偉人としてパンテオン入りしたジョゼフィン・ベーカー。式典の生中継ビデオからのキャプチャ。

 

ちなみにパンテオンは12月4、5日の週末は無料で一般公開されます。

今回のパンテオン入りに際して、パリのメトロ13号線の Gaîté 駅(gaîtéは普通名詞として「陽気さ」という意味があります)が、Gaîté-Joséhphine Baker 駅と改名されました。

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