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パリ菅のウィンナワルツとオペレッタ

par Victoria Okada

201712Mixiに投稿した記事に加筆・訂正したものです)

テレビでパリ菅 Orchestre de Paris によるウィンナワルツとオペレッタのコンサートをやっていた(2017年12月17日18時30分〜19時15分)。
パリ・フィルハーモニーホール Philharmonie de Paris のオーケストラ席の客席が取り払われ、オーケストラに合わせて一緒に踊りましょうという、2017年6月8日に行われたコンサート。ホールは満席。オーケストラ側からみた客席には、音楽に合わせて踊る人々が映し出されていた。
そして最後に、オッフェンバック Jacques Offenbach の《地獄のオルフェウス(天国と地獄)Orphée aux enfers》からの有名な『地獄のギャロップ』が鳴り始めると、セルフィーを撮る人、飛び跳ねる人、くるくる回る人、隣の人と肩を組む人などなど、思い思いに体を動かして楽しんでいる。その顔は明るくて、音楽を本当に楽しんでいるのがわかる。
オッフェンバックは、20年ほど前からフランスを中心に、研究者と演奏家が手を取り合って深く取り組み、再評価されているが、まだまだ余興音楽というイメージは払拭されていない。けれどその音楽は、上演を目的に作曲されたものとしては唸るほどよくできているし、オッフェンバックは正真正銘の演劇人間で、観客に受ける効果的なオペラを作り出すことを常に念頭に置いており、受けの悪かった箇所は名曲でも容赦無く削除して新しい曲に入れ替えたという。だからかはわからないが、彼の音楽は、フランス人の地に深く入り込んでいて、音楽が鳴り始めた途端に誰もが嬉しい気分になって、体が勝手に動くのだ。
知ってる人も知らない人も皆一緒に彼の音楽を楽しんでいるのを見ると、音楽はまさにこうあるべき、と深く納得してしまう。
そういう意味で、私は世界最高峰のクラシックの作曲家としてオッフェンバックの名前をあげることに、全く躊躇しないし、機会あるごとにそう主張している。
いわゆる「芸術音楽」はもちろん素晴らしい。しかし、なんの分け隔てもなく人々を純粋に楽しませ心をつなぎ続けてきた音楽は、格別の存在として大切にしていかなければならないと思う。クラシックであれ、ポップであれ、ロックであれ、シャンソンであれ。

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