Accueil 仏・欧州音楽事情 フランス国立放送局の本拠が「ラジオ・音楽館」と名称を変更

フランス国立放送局の本拠が「ラジオ・音楽館」と名称を変更

par Victoria Okada

フランス国立放送局 Radio France はセーヌ川沿いに建つ円形の建物を本拠としています。この建物は Maison de la Radio と呼ばれ、番組の録音スタジオの他、コンサートホールも兼ねる Studio 104 (ステュディオ・サンカトル)とクラシック音楽ホール である Auditorium(オーディトリアム )などを擁し、パリ西部の重要な音楽拠点となっています。また、建物の中心部は22階建ての高層タワー建築 で、最上階のレセプションホールからは、パリが360度、一望に見渡せます。さらに付属の音楽機関として、フランス放送交響楽団、フランス国立管弦楽団、フランス放送合唱団、フランス放送少年少女合唱団があります。
これらのオーケストラ・合唱団によるコンサートはラジオ放送を前提としており、ライブ放送の他、音源・動画収録や、レコーディングなどが行われています。

オーディトリアム Auditorium de la Maison de la radio – Architecte AS Architecture Studio. Photo © G.F. Bergeret

2020年春の都市封鎖以来、他の劇場やコンサートホールが閉鎖される中、ここでは無観客でありながら多くのコンサートが開催され、内外のアーティストたちの活動の維持に貢献してきました。最近の好例として、パリ・オペラ座と共同で、ワグナーの『ニーベルンゲンの指環』の全曲演奏の録音を行い、年末年始にFrance Musiqueで放送されたことはまだ記憶に新しく残っています(このページで今月末まで聴けます)。
そういった意義を踏まえて、ラジオフランス総裁のシビル・ヴェイユ Sybil Veil 氏は、1月10日付けのプレスリリースで、本拠地の建物の名称をこれまでの Maison de la Radio (ラジオ館)から Maison de la Radio et de la Musique (ラジオ・音楽館)に変更することを発表しました。

これに伴い、今後、アプリに音楽専用のスペースを創設し、ラジオ・音楽館で新しい音楽祭を開催、さらにジャンルを超えたクリエーション(特に上記の既存の音楽機関とポップ系のアーティストのコラボレーション)を奨励するなど、多くのプロジェクトが予定されています。

ちなみにフランス国立放送局は次の7つの局を傘下に置いています。
France Inter 総合局
Franceinfo ニュース専門局
France Bleu 地方支局のネットワーク
France Culture 文化局
Fip ジャンル不問の音楽局。音源の放送が主。
Mouv’ サブカル的音楽局。ニュースもあり。
そして
France Musique 音楽専門局(クラシック、ジャズ中心)、独自の番組とコンサート中継。テーマ別の9つのウェブラジオもあります:クラシック・イージー、オペラ、バロック、クラシック・プラス、(オーディトリアムなどでの)コンサート、ジャズ、コンテンポラリー、エスニック、映画サウンドトラック

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