パリ・ノートルダム大聖堂の火災時に、修復工事のため尖塔の周囲に組まれていた足場が、11月24日に完全に撤去された。
Les opérations de dépose de l’échafaudage sinistré – Rebâtir Notre-Dame de Paris from Etablissement public RNDP on Vimeo. 足場撤去作業
2019年4月15日の火災によって、その少し前に設置されていた尖塔修復作業用の足場も焼け、一部が溶けて建物と溶接してしまった。そのため、すでに焼け落ちて穴があいた尖塔部分の屋根から、足場および建物そのものが崩壊する脅威に晒されていた。そのため、金属ピースが落下することでドミノ式に建物が崩れすることを防ぐため、足場の解体作業を行う前に、金属製の梁を3層にわたって設置していた。
焼けた足場は4万個の金属ピースからなり、高さ40メートル、重さが200トン近くに及ぶもの。撤去作業は3月から5月の都市封鎖で遅滞していたが、ロックダウンが解除されて間もない2020年6月8日に始まり、昨日11月24日に全行程が終了した。
解体では、まず建物全体を取り囲むように新しい足場を組んで、作業員が古い足場の内部に降りられるようにした上で、焼けた足場の金属ピースを一つ一つ切り外し、これを高さ80メートルのクレーンで運び出す作業を繰り返し行った。
2021年半ばまでノートルダムの修復準備となる様々な作業が行われるが、その一つとして、穴の部分から内部に雨が振り込むのを防ぐための巨大な「傘」が設置されることになっている。
写真 ノートル・ダム大聖堂の足場撤去作業現場 © Pascal Tournaire Jarnias