2021年3月1日、新コロナウィルスの感染拡大を防ぐ目的で劇場や美術館をはじめとする文化施設が閉鎖されて1年が経ちました。昨年夏から秋にかけての一時期、客席数を大幅に減らして公演やコンサートが行われましたが、10月末から再び閉鎖され、いまだに再開のめどは立っていません。かたや客席半数をベースに上演活動が維持されているスペインやロシアでは、劇場などでの感染拡大は報告されていません。スペインやドイツですでに行われた文化施設での綿密な感染拡大調査は全て、劇場、映画館、コンサートホールなどはもっとも感染の確率が低い公共の場であるという結果が、具体的な数字とともに示されています。
文化業界にたずさわる人々は、フランスではいまだ扉が閉じたままのこれらの施設の再開を求め、12月15日のバスティーユ広場での大規模集会に続いて、3月4日、正午から全国規模の集会とデモを行いました。パリではレピュブリック広場周辺に集いました。
その様子を今回も写真でお届けします(クリックで拡大)。
#RebranchonsLaCulture 1er mars 2021, un an sans public, la culture sacrifiée. Retrouvons-nous ! @R_Bachelot @MinistereCC
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— PROFEDIM (@profedim) March 1, 2021
音楽プロデューサー、音楽祭、アンサンブル、音楽ブロードキャストに携わる個人経営者などからなる組合のProfedimのツイート。同組合のコミュニケには、欧州規模で音楽が -76%、演劇などの生の上演が90%減少し、ヴィジュアルアートのアーティストの56%が減収50%以上、映画館の客入りは70%以上減少したと記されています。そして1日も早く文化活動を再開するよう政府に求めています。
マクロン大統領を新型コロナウィルスにダブらせた似顔絵や、額にRIPと書いて骸骨に扮するなど参加者はおもいおもいの方法で主張を繰り広げました。
左上から 通勤時間の混雑が特にひどいパリのメトロ13号線と比較して、文化が「必要不可欠でない」矛盾を訴える人
文化省 Ministère de la Cultureならぬ文化貧困 Misère de la Culture と書かれた旗
2022年まで社会保障費の積立金の停止を訴える手書きパネル
No culture No futureと書かれたトートバッグで参加した人
テノールのシリル・デュボワ、バリトンのスタニスラス・ド・バルべラック、ソプラノのマリー・ルノルマン、メゾソプラノのステファニー・ドゥストラック、テノールのエンゲラン・ド・イスなどオペラ歌手や、元カウンターテナーで現在はパリ国立高等音楽院の古楽部門ディレクターのパスカル・ベルタンなどの教育関係者も参加。
参加者も組合単位、個人単位などさまざま。赤い横断幕は演出家組合、白と黒の文字の横断幕は旅行・イベント・文化関係のフリーランスの組合。
写真 © Laura Dyens-Taar, Bertrandphotolive, Cyrille Dubois, Charlotte Bartissol