フランス国立放送局 Radio France はセーヌ川沿いに建つ円形の建物を本拠としています。この建物は Maison de la Radio と呼ばれ、番組の録音スタジオの他、コンサートホールも兼ねる Studio 104 (ステュディオ・サンカトル)とクラシック音楽ホール である Auditorium(オーディトリアム )などを擁し、パリ西部の重要な音楽拠点となっています。また、建物の中心部は22階建ての高層タワー建築 で、最上階のレセプションホールからは、パリが360度、一望に見渡せます。さらに付属の音楽機関として、フランス放送交響楽団、フランス国立管弦楽団、フランス放送合唱団、フランス放送少年少女合唱団があります。 これらのオーケストラ・合唱団によるコンサートはラジオ放送を前提としており、ライブ放送の他、音源・動画収録や、レコーディングなどが行われています。 2020年春の都市封鎖以来、他の劇場やコンサートホールが閉鎖される中、ここでは無観客でありながら多くのコンサートが開催され、内外のアーティストたちの活動の維持に貢献してきました。最近の好例として、パリ・オペラ座と共同で、ワグナーの『ニーベルンゲンの指環』の全曲演奏の録音を行い、年末年始にFrance Musiqueで放送されたことはまだ記憶に新しく残っています(このページで今月末まで聴けます)。 そういった意義を踏まえて、ラジオフランス総裁のシビル・ヴェイユ Sybil Veil 氏は、1月10日付けのプレスリリースで、本拠地の建物の名称をこれまでの Maison de la Radio (ラジオ館)から Maison de la Radio et de la Musique (ラジオ・音楽館)に変更することを発表しました。 🥁 Roulement de…
Étiquette :
France Musique
-
-
(2018年8月にMixiに投稿した記事に加筆・訂正したものです) スロヴァキアで歌劇《椿姫》の抜粋を16年近くにわたってスピーカーで流し続けていた女性が逮捕され、最高裁判所で裁判にかけられることになったと、英国BBCが9日に、仏公営ラジオ局フランス・ミュージックFrance Musiqueが10日に伝えた。 女性は、スロヴァキアの南西に位置する、ダニューヴ河流域の町シュトゥーロヴォで、隣家の犬の鳴き声に「対抗」するため、約16年間、朝6時から夜10時までヴェルディのオペラ 《ラ・トラヴィアータ》 の抜粋をスピーカーで大音量で流し続けていた女性が、8月初めに警察の家宅捜索を受け、女性は逮捕。最高裁判所で判決を待つ身となった。 女性は、柵と監視カメラに囲まれた家に住み、一日中吠え続けていた犬の「復讐」としてプラシド・ドミンゴが歌うアリアを流し続けた。犬の声は聞こえなくなったが音楽は止まず、同じ抜粋が延々と「放送」されていた。2015年5月に騒音を規制する市長令が出され、2年間音楽が鳴り止んだが、女性は市長令を無効にする手続きを行い、再び音楽をかけ始めたという。話は最高裁判所にまで持ち込まれ、昨3月に市長の決定を支持する判決が出されたが、女性はこれを無視。8月初旬についに警察の家宅捜索を受け、女性は逮捕された。判決により3ヶ月から2年の懲役刑となる予定。 このニュースは欧州各国の音楽・一般メディアで取り上げられた。