オルセー美術館は昨年12月15日から1月5日まで新しいデジタル音楽動画シリーズ「オルセーライヴ」を配信しています。
これは11月末から劇場・美術館・映画館などの文化施設が閉鎖されたことに伴うオファーの一環。
オルセー美術館では開館当初からオーディトリアムを中心にコンサートが行われてきました。6月21日の「音楽の日」には中央通路を使った大オーケストラの演奏や、最近ではいくつかの展示室を巡りながら楽しむプロムナード・コンサートなども行われています。
「オルセーライヴ」はそれを拡大させて、さまざまな展示室や館内のスペースを使って、またはこれらのスペースを撮影した映像と音楽を融合させて、美術鑑賞とはまた異なった角度から美術館を知ってもらおうというものです。ジャンルもクラシックに限らず、ジャズやポップも交え、多様性あふれる美術と音楽の対話を提供します。
ライヴは毎週火曜日18時からオルセー美術館の公式サイトとYouTubeチャンネルで配信(最初の2回は美術館公式サイトとテレビ局FranceTVのサイトで配信)。毎回約30分から1時間のコンサートとなっています。
プログラムは次のとおり。
12月15日
『Ultrabirdz』 – クリストフ・シャソル Christophe Chassol
普段は電子音を操るシャソルが、19世紀彫刻にオマージュを捧げるべく、ピアノで演奏。
12月22日
『動物のジャズ謝肉祭』 – The Amazing Keystone Big Band
ニューヨークを拠点に世界で活躍するフランス人トランペッターのダヴィッド・エンコ David Enhco(ジャズピアニスト、トマ・エンコの兄)がサン=サーンスの『動物の謝肉祭』をビッグバンド用に編曲。数年前からフランスおよびヨーロッパ各地で引っ張りだこの、家族みんなで楽しめるプログラム。
12月29日
『鳥たちのシンフォニー』 – ジュヌヴィエーヴ・ローランソー Geneviève Laurenceau (ヴァイオリン)、リディア・ビジャック Lidija Bizjak (ピアノ)、Les chanteurs d’oiseaux(ジョニー・ラス Johnny Rass、ジャン・ブコー Jean Boucault)
日本でもラ・フォル・ジュルネなどでおなじみの、音楽に鳥のさえずり(の模倣)を取り入れた心和むコンサート。
1月5日
『博物誌』– アンサンブル・レ・ザパッシュ Ensemble Les Apaches、ジュリアン・マスモンデ Julien Masmondet 指揮、ステファン・ドゥグー Stéphane Degout(バリトン)
動物にちなんだ音楽を集めたコンサートを、気鋭の若いアンサンブル「レ・ザパッシュ」が生き生きと演奏します。ラヴェルの歌曲集『博物誌』は、新しいオーケストラ版編曲を披露。最後の曲『Bestiaire chimérique妖動物誌』は、作曲家パスカル・ザヴァロの新作の歌曲集で世界初演。世界のオペラハウスで活躍のバリトン、ステファン・ドゥグーが歌います。コンサート評はこちら。
トップ写真:配信画面