フランソワ・デュモン François Dumont は地味ながらすごい実力を持ったピアニスト。クララ・ハスキル、ショパン、エリーザベト王妃、ヴァン・クライバーンなどで入賞、フランスではヴィクトワール・ド・ラ・ミュージック器楽ソリスト大賞にノミネート、仏批評家協会から新人賞を得るなど、受賞歴も多い。 このCDでは彼が得意とするショパンを存分に堪能できる。プログラムは、バラードと即興曲。ソナタや幻想曲などの大曲ではなく、アマチュアでも比較的演奏機会が多い曲だ。それだけに、奇を衒う演奏が多いのも確か。しかし彼はオーソドックスに迫る。オーソドックスだからといって他の演奏と似たり寄ったりというわけでは決してない。誰もが何百回、何千回と聴いて知り尽くしたと思っているこれらの音楽。なのにこのCDを聴きだすと自然に彼のショパン観に入り、それぞれの音、それぞれのフレーズの美しさをあらためてじっくりと味わうことができるのだ。 思いがけない曲想で人の気を引くというのも個性の表れであろう。それを否定もしないし、そうやって自己主張できるならば素晴らしいことだと思う。しかしデュモンは楽譜をそのまま音にする。そして私たちの耳を惹きつける。何気ないように思える演奏のここかしこに、フランソワ・デュモンというピアニストの、演奏に対する真摯な姿勢と、ショパンの音楽に対する愛情が溢れている。 1CD La Musica : LMU 030 ; 56’33 2022年4月発売
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フレデリック・ショパン
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イランのテヘランに本拠を置く3Dデザイナー、ハディ・カリミが6月1日、インスタグラムとツイッターにフレデリック・ショパンの肖像をアップ。音楽関係者の間で瞬く間に話題となり、多くのメディアで取り上げられている。 広く知られた1847年のダゲレオタイプと、1845年かそれ以前に撮られたとされているもう一つのダゲレオタイプ(カリミの説明ではオリジナルは第二次大戦で消失とあるが、ウィキペディアのフランス語版にはワルシャワのショパン協会所蔵とある。後者がオリジナルかどうかは記載されていない)をもとにしたもの。立体感を得るために、オーギュスト・クレザンジェによるデスマスクをモデリングに使い、頭髪はワルシャワにあるショパンの髪の毛を参考にしたという。 Voir cette publication sur Instagram Chopin was a very introvert and private type of person, he has only two confirmed photographs, which one of them is deteriorated and hard to get anything out of, the…