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ナントでプレイエルピアノの製造が再開

par Victoria Okada

プレイエル Pleyel といえばエラール Erard と並ぶフランス19世紀の2大ピアノの一つで、ショパンが愛用したことで有名。1865年からパリ北郊サン・ドニに150年にわたって続いていた製造工場が2014年に閉鎖され、2016年から中国の北京で製造が引き継がれましたが、フランスでのピアノ製造は実質上途絶えていました。

1846年製のプレイエルピアノ パリ楽器博物館所蔵 E.980.2.661 © Claude Germain

しかし、楽器や音楽・オーディオ機器の輸入販売、製造を手がけるアルガム Algam が、今回、ピアノ製造をフランスで開始することを発表しました。

現在の「プレイエル」のロゴは、パリ楽器博物館所蔵の1857年製のピアノ(E.974.9.1)にすでに見られる © Claude Germain

アルガムは1985年にKorg、 Marshall、 Gibsonなどの代表販売を始め、フランスで初めての楽器の輸入販売会社としてスタート。現在150あまりのブランドを扱い、年間1億1500万ユーロを売り上げています。通の間で愛好されているギターRâgの製造を再開したことでも有名です。

音楽愛好家でもあり、ヘンデルやパーセルなどをよく聴くという経営者のジェラール・ガルニエ Gérard Garnier 氏は、2017年に「プレイエル」の商標を買い取りました。そして製造を再開するにあたって、十分な時間を費やしてピアノ製造の技術的な問題点を深く研究し最高級のピアノを提供できるように万全の準備を施したと、ある新聞のインタビューで答えています。

アルガム社が現在製造しているプレイエルピアノ「エリタージュ」シリーズ P190-OPERA-BLK © pleyel

現在インドネシアの工場ですでに製造されている「プレイエル」ピアノは、良いものを手に入りやすい価格(約1万ユーロ)でというコンセプトで、主に中国のピアノ人口をターゲットとしているそうです。そこではアップライト、小型グランドピアノが合計で年間約1000台製造されていますが、製造の最終段階としてナントの工場に運ばれ、仕上げの作業と調律・調整が行われた上で「休ませ」てから販売されます。フランス製のプレイエルピアノはこれよりもずっとグレードが高く、1台3万から8万ユーロで販売される予定です。

プレイエルピアノの専用サイト

パリ楽器博物館のプレイエルピアノのページで、19世紀半ばの楽器の音を聴くことができます。

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